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在宅看取りのQ&A在宅医療・在宅看取りの代表的な質問にお答えします

2016年07月15日
在宅看取りのQ&A

【疑問1:在宅看取りってなんですか?】

 
「在宅看取り」とは、在宅、つまり患者様自身のご自宅で最期までお看取りすること。自然なことのように聞こえるかもしれませんが、日本人の「死に場所」の歴史的な推移を考えると、ここ数十年ではむしろ珍しいケースであると言えるのです。
 
日本人の「死に場所」は戦後60年で大きく変化してきました。
かつては在宅死(住み慣れた自宅で亡くなること)は極めて一般的なことでしたが、戦後病院数が増え国民健康保険などの福祉制度も整えられると、急速に「死に場所」は自宅から病院へと移っていきます。
 
 
1951年には「死に場所」の8割以上の人が自宅で亡くなっていましたが、2009年にはその割合は逆転し、8割近くのひとが病院で亡くなるようになっていきました。
 
 
多くのひとが病院で手厚い医療を受けられるようになったことは日本の経済的・福祉制度的な発展を表すひとつの成果です。しかし、超高齢社会を超え「多死社会」を迎えた現在、大量の高齢者全員に病院のベットを用意することは、事実上不可能になってきています。
 
このような時代の背景から、在宅でのお看取り、つまり「在宅看取り」がいま見直され始めているのです。
 
 

【疑問2:在宅看取りのメリットは?】

 
在宅看取りの最大のメリットは、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を重視した終末期を過ごせることだと言われています。
 
住み慣れた我が家で生活することと、病院のベットで生活することはやはり違うようです。我が家で生活することが安らぎやリラックスにつながり、穏やかな最期を迎えることにもつがなる…多くの医療者がこのように考えています。
 
また、病院での過度な終末医療に伴う弊害も指摘されつつあります。特に胃ろうや人工呼吸器をはじめとした寝たきり高齢者に対する措置は、いたずらに苦しみを長引かせるだけで、本人の望むライフエンディングとは言えないのではないか…という問題提起です。
 
これはターミナルにおける意思確認の難しさなども絡んでくる難しい問題ですので、一概に「良い」「悪い」と白黒をつけることはできません。ですが、こういった延命治療を行うことなく、できる限り穏やかに最期を迎えたい、という高齢者のニーズがあることもまた事実です。
 
 
在宅看取りのメリットは、こうした高齢者の「最期の時」に対するニーズを可能な限りくみとることができる点にあるでしょう。
 
 

【疑問3:在宅看取りにはどんな準備が要りますか?】

 
在宅看取りは、「チーム」を組んで行う視点が重要です。家族だけで全てをこなそうとしては、介護負担でつぶれてしまいます。
 
在宅看取りを支える様々なスタッフについては以下の記事で詳しく解説していますが、
(参考:在宅看取りを支える人たち)
本稿でも改めて主要な3つのアクションを紹介していきましょう。
 
・在宅医を選ぶ
まずは在宅で診療してもらえる主治医選びから始めましょう。
地域の在宅療養クリニックを探し、看取りに理解のある在宅医を選びましょう。信頼できることが絶対条件ですが「家から距離的に近い」というのも大事なポイントです。
(参考:在宅療養クリニックを探す)
 
 
・介護保険の準備をする
自宅で過ごす症状が重い患者さん、介護が必要な患者さんには公的な保険制度である介護保険が適用されます。お住いの地域の役所にある介護保険窓口や、かかりつけの在宅医に相談してみましょう。経済的負担を減らすことは極めて重要です。
 
・ケアマネージャーを選ぶ
医師が医療の専門家であるように、ケアマネージャーは介護の専門家です。
どのような介護(ケアプラン)を行っていくか、はケアマネージャーと共に考えていくことになります。何度も顔を合わせる存在なので、在宅医と同じように家の近くの信頼できる方を選ぶのが良いでしょう。
 
 

【疑問4:在宅看取りは病院より費用がかかるのではないですか?】

 
一般に、在宅看取りは病院看取りや施設看取りよりも費用が安くなる傾向にあります。
 
これは国をあげて在宅医療推し進めている関係から、様々な公的補助を受けられるためです。
 
例えば医師の往診料。在宅看取りでは医師を自宅にお呼びすることが必然的に多くなるので、となると高い医療費が必要なのでは?と思いがちです。しかし、現在開業医のフットワークは徐々に軽くなってきており、高齢者への往診を積極的に行う在宅療養クリニックも全国的に増えてきつつあります。
 
また認知症患者であれば自立支援医療費制度が、年間10万円を超える医療費については医療費控除受けられたりと、様々な公的サポートが看取りには利用できます。
 
これらのサポートについて、ケアマネージャーや在宅医とよく話しあい、制度を賢く利用することが負担を軽くしていくコツとなるでしょう。
 
 
いかがだってでしょう。在宅看取りを始める際の代表的な疑問について、簡単にお答えさせて頂きました。看取りコムでは「看取り」に関するQ&Aを豊富に取り揃えております。
 
ここにない疑問につきましても、「お問合せフォーラム」からお気軽にご相談ください。
看取り・ライフエンディング業界のプロが、丁寧にじっくりと、みなさまの疑問にお答えします。
黄金のおりん
用語タグ 在宅看取り
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