私たちの想い

看取りコムとは

2025年には人口の2割弱、5人に1人にあたる2200万人が75歳以上になるという超高齢化社会を控えた今、高齢者となる本人はもちろん、介護・医療から終末期に至るまでをどう支えるのかという不安を抱えるご家族の方は少なくないでしょう。

われわれ鎌倉新書は「終末期の豊かな社会づくりに貢献したい」、「高齢者とその家族のエージェントでありたい」という願い、想いをもって日々研鑽を積んでおりますが、この度医療・介護をはじめとして、在宅療養サポート及び施設介護に関しての情報を発信していくべく当サイト「看取りコム」を立ち上げました。

生きとし生けるもの、旅立ちの時は必ず訪れますが、40年ほど前の日本では自宅で家族と最期を迎えることはごく自然なことでありました。しかしながら医療技術の発達と病院・医療制度が充実するに伴って、昨今では8割以上の方が病院で最期を迎えるまでになりました。(*1)
ただ、病院で最後まで経管栄養や胃ろうで人工的に栄養を与えられて、様々な延命治療を受け続けた末に亡くなっていくことは当たり前のことなのでしょうか。それは今まさに着陸しようとしている飛行機に無理矢理に燃料を加えて飛ばし続けることのようにも思えてきます。
「病院」が身体の正常化をめざす治療機関だとすると、「在宅医療」は苦痛を取り除き、生活を維持しながら身体の機能低下と折合いをつけていく“人生・生き方”を優先するライフサポートの医療です。
病状が重くなり、体力も低下すると患者さんにとって治療自体も負担になります。無理な治療をしないほうが本人にとっても家族にとっても穏やかに過ごせ、ごく自然に死を受け入れられるということもあります。
会いたい人に会い、したいことをする。そして「思い残すことはない」というタイミングで住み慣れた自宅や施設で親しい人たちに看取られて、枯れゆく木のように自然に、穏やかに往生する。
「死は残される者に対しての最後の教育」とも言われますが、最期の療養の姿には、その人の生き方のすべてが集約されます。残される者に「老いることとは何か。生きることとは何か」を教えてくれる、人生を終えるにあたって、今度は生きる力を次の世代の者に手渡すことでもあると考えています。
残される者にとって、大切な人が一刻一刻老いゆき、旅立ちに向かっていく変化に向き合うことは、とても辛いことかもしれません。ただ、このことは自らの内面をみつめ、心を養うことにつながります。また、家族や近親者は言うまでもありませんが、医療・看護・介護従事者にとっても、これほどの学びの機会はないと感じています。
病院なのか、施設なのか、自宅なのか。延命するのかしないのか。

人間、将来これからかかる病を予測することは出来ませんが、家族やご本人が希望する療養の仕方を選ぶことはできます。幸い、地域包括を中心として訪問診療クリニックや訪問看護ステーション、訪問薬局など、在宅や施設での療養や看取りを支える仕組みや体制も徐々にととのってきています。
大切なあの人の、「その人らしさ」を敬うために。生きざまを見守り、やさしく見送ってあげるために。そしてあの人の生老病死に正面から向き合うことで「生きる力」を引き継いでいくために。
みなさんが「看取り」まで支え続ける大切な人の終末期を考えたとき、少しでも不安が小さくなるよう、微力でもお役にたつことができればと願っています。

*1. 北欧諸国では半分以上、フランスでも3割以上が自宅で最期を迎えるという選択をしている



大切なひとと考える『これからハンドブック』

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